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産学官連携マネジメントセミナー 開催報告

地域におけるイノベーションエコシステムの実現を目指して

2023年11月20日開催しました。第1部では文部科学省科学技術・学術政策局池田一郎課長より産学官連携の現状と直近の施策について解説いただき、第2部では九州工業大学安永卓生理事・副学長と長岡技術科学大学山口隆司学長特別補佐より、各大学の取組事例を紹介いただきました。

【第1部】「産学官連携の現状や文部科学省の直近の施策」

文部科学省科学技術・学術政策局 産業連携・地域振興課長の池田一郎氏より、産学官連携の現状と直近の施策について解説いただきました。

まず、日本国内における産学官連携規模の小ささや共同研究費が少額であるといった課題の背景とともに、組織トップが関与する「組織」対「組織」の連携を推進するための政策を解説いただきました。
その一つとして、2023年3月に内閣府・文部科学省・経済産業省が策定・公表した「大学知財ガバナンスガイドライン」を通じて、スタートアップ等による大学・企業の共有特許の活用を促進するための解決策を紹介するなど、大学知財の社会実装機会の最大化及び資金の好循環を達成するための考え方を紹介いただきました。

また、大学自身の強化の取組についても、基盤的活動、研究拠点・研究基盤、人材育成等の観点から解説いただきました。日独英の大学の論文発表数を比較すると、日本は上位層が多い一方で上位に続く層は少ないため、この層の厚みが形成されるよう、大学の特色・強みを伸ばす施策の必要性をお話しいただきました。

第1部では産学官連携の推進に向けた課題や政策等について大変有用なお話をいただくとともに、地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージの拡充を進める文部科学省の想いを実感できる貴重な場となりました。

【文部科学省‗産学連携のあり方】

 

【第2部】「大学取組事例に係るパネルディスカッション」

第2部では、九州工業大学理事・副学長の安永卓生氏および長岡技術科学大学教授・学長特別補佐の山口隆司氏より、産学連携の取組事例を解説いただきました。その次に、当法人森本陽介シニアマネジャーより両大学の事例を基に産学連携における教育機関のあるべき姿の考え方について、および当法人栗井浩史パートナー進行のもとパネルディスカッションを実施しました。

九州工業大学安永氏からは、地域の大学・金融機関・企業との連携を通じた取組事例を紹介いただきました。大学と社会をつなぐリカレント・リスキリング教育プラットフォームの他、起業家支援・アントレプレナー教育プログラムを提供するPARKS等について解説いただきました。

【九州工業大学‗PARKS】


長岡技術科学大学山口氏からは、大学・高専・行政との連携を通じた取組事例を紹介いただきました。NaDeC構想推進コンソーシアム(長岡市と4大学1高専の連携)による起業推進・マッチング等のイベント、人材育成プログラム、SDGs活動等について解説いただきました。

【長岡技術科学大学_NaDeC構想】


当法人の森本からは、産学連携における教育機関のあるべき姿として、シーズ起点型・ニーズ起点型それぞれの考え方について説明しました。

最後には、セミナー参加者からの質問に対して直接、安永氏・山口氏が回答する形式でのパネルディスカッションとなったため、両校の取組におけるポイントを深掘りしてお話しいただける機会となりました。

【地域中核・特色ある研究大学を想定した群における前提と類型】


 

 

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