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ワクチン接種は感染状況をどの程度改善させたか
先行3カ国のシミュレーション
ワクチン接種が先行したイスラエル・英国・米国の3カ国では、接種によって新型コロナウイルスの感染状況はどの程度改善されたのだろうか。その効果を簡単な疫学モデルであるSIRモデルを用いてシミュレーションします。
国内では新型コロナウイルスの感染状況がなかなか改善しない一方、米国や欧州の一部の国などでは、感染状況の改善が続き、各種の制限措置が相次いで緩和されています。その大きな要因として指摘されているのがワクチン接種の進展であり、日本でも接種の加速を求める声が強まっています。もっとも、感染状況の改善には、国によっては厳格な行動制限が寄与している場合もあり、全てがワクチン接種の効果によるわけではないと考えられます。
そこで本レポートでは、他国に先駆けてワクチン接種が進んだイスラエル、英国、米国の3カ国を対象に、一般的な疫学モデル(SIRモデル)を用いて、ワクチンの効果を検証しました。感染状況とモビリティ(人出)の相互作用もモデルに組み込みながら、それぞれの国において接種が一切進まなかったと想定したシミュレーションを行っています。3カ国においてワクチン接種とモビリティの抑制のどちらが感染状況の改善に寄与したかを考察しながら、日本への示唆を探ります。
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執筆者
市川 雄介/ Yusuke Ichikawa
有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センター マネジャー
2018年より、リスク管理戦略センターにて各国マクロ経済・政治情勢に関するストレス関連情報の提供を担当。以前は銀行系シンクタンクにて、マクロ経済の分析・予測、不動産セクター等の構造分析に従事。幅広いテーマのレポート執筆、予兆管理支援やリスクシナリオの作成、企業への経済見通し提供などに携わったほか、対外講演やメディア対応も数多く経験。英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスにて修士号取得(経済学)。
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